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楽しいレジャーが、悲しいことにならないように・・・
離岸流(リップカレント)について、もう一度勉強するべきなのかもしれません 海上保安庁によるリガン竜のページ

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西日本へサーフトリップ 広島編 



仕事で佐賀県へ行くことが決まったのは、去年よりも早く桜が咲き始めた頃のことでした。 ぼくにとっては初めての九州です。 仕事を金曜日にして、木曜日と土曜日を休みにすれば4連休みたいなもの。 ボードを持ってミニで行こうと企むのは、いたって自然な思考なのでした。

ふたつの台風が、1日違いぐらいで日本にやってくるなか、台風20号と待ち合わせて西へ。  白、灰色、白、灰色。 コントラストのきいた雲が空を覆い、時折雨粒をフロントガラスにぶつけてきます。 制限時速が110キロに試行されている新東名で気持ちよく距離をかせいでいると、雲が徐々に薄くなり、山間に突然二本の虹が現れました。


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虹はそれがただの光の屈折現象だとは思えないほどの存在感を持ち、遠い旅路が始まったばかりのぼくたちを、まだ見ぬ土地へ渡す架け橋のようにも、ゲートのようにも見えます。

新名神に入り京都を抜け、大阪の街を遠巻きに兵庫へ。 山陽道で岡山は吉備サービスエリアで昼ごはん休憩にしました。 振り返ってみると朝の五時半に出発してここまで7時間。 途中何度かトイレには寄ったものの大きな休憩は初めてです。

じゃっかん緊張で肩の筋肉が痛いものの、それほど疲れは感じられません。 それはやはりこのミニのおかげでしょう。 小さいですが侮ってはいけません。

ミニでの長距離運転でもっとも効果的なのが、オートクルージングです。 設定した速度を維持して走ってくれます。 上り坂でも下り坂でも、設定した速度から外れることはありません。 セットしたら右足をアクセルペダルから離して、ただハンドルを操作していれば良いのです。

アクセルを操作しないだけでそんなに楽なの? そう思うかもしれませんが、捕まらないスピードを維持し続けるのは案外面倒です。 いつの間にかスピードを出しすぎていたりする心配もなくなります。 設定するスピードは何キロか? それはお教えできません(秘密)

吉備からさらに百数十キロ、距離を重ねて本日の宿泊地広島に到着しました。 走行距離は藤沢からここまで780キロ。 さすがに少々疲れました。

ホテルにチェックインしてから、平和記念公園へ向かいます。 平和記念公園から歩ける距離のホテルを選んだので歩きです。 路面電車が通る交差点で信号待ち。 暑い 酷暑と呼ばれた今年の夏は8月ももう終わりだというのに未だ燃焼を止めず、安全装置が外れた日差しに炙られたぼくたちはわずかな恩赦を求めて信号機の陰に隠れるしかないのです。

元安川を渡る橋に着くと北の方の川面の先に遠く、原爆ドームが見えてきました、 平和な町並みの中に一つ遺されたそれは、なみなみと水をたたえた川の濃いブルーと、この暑さにも負けずに繁る樹々の鮮やかなグリーンによって、本来感じるであろうはずの寂寞感を失い、むしろどこか牧歌的なイメージでぼくの目に映っていました。

橋を渡ると原爆資料館がありました。 そこで見た被爆者の写真や遺物は、とても悲惨なものでありましたが、なにより心を動かされたのが、見渡す限りガレキしか見えなくなった原爆ドーム周辺の写真です。 自分が住んでいる街が一瞬にして焼け野原に。 その喪失感は想像しただけで気が遠くなります。

原爆資料館を出て平和公園を北へ原爆ドームを目指します。 公園の木々の間では暑さが少し和らぎ、ベンチには人が腰掛けて休んでいます。 そのほとんどは外国人。 原爆資料館もそうでしたが、ここには大勢の外国人が訪れています。 むしろマイノリティーは我々ジャパニーズです。

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原爆ドームの対岸につきました。 ぼくたちもベンチに腰掛けて、原爆ドームを眺めます。 近くに楽器の音がします。 スチールパンのようです。 一つ二つ音を鳴らしながら、隣に立っている人と談笑しています。 スチールパンのポワンという柔らかい音色は平和そのものです。

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ぼくは以前から、原爆ドームを見てみたいと思っていました。 佐賀までまだ300キロ以上あるこの広島を前泊地としたのは、この原爆ドームがあったからです。 ようやく自らの目で見ることができたのです。

ベンチを離れ、橋へ向かいます。 この橋は相生橋という名前で、太田川と元安川の分流地点にかけられており、橋の中央に直角に橋をつなぎ、T型を形成している珍しい橋です。 Tの縦棒を下から橋に乗り、Tの横棒を右に進み橋を渡り終え、原爆ドームの間近までやってきました。

周りが全てガレキに変わったのに、この建物は壁も倒れず残ったのは、原爆がこの建物のほぼ真上で爆発したからだそうです。 ついさっき原爆資料館で得たばかりの知識です。 

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原爆ドームから離れていくぼくたちの背中で、今ではメロディとなったスチールドラムの優しい音色が、熱く透明な空気の中に涼しく揺れていたのでした。


「広島行ったらなに食べればいい?」

旅行に出る前に中国地方出身の同僚に訊きました。

「やっぱりお好み焼きでしょ 牡蠣は旬じゃないし」


まあ訊かなくてもお好み焼きを食べるつもりだったのですが念の為訊いてみました。 そして今、お好み焼き屋さんを探しています。 googleで検索すると、原爆ドームからすぐのところに、星がたくさんついた店がありました。 看板も見えます。 よし あそこにしよう

長田屋という名前のその店の前に着いてがっかり。 並んで待っています。 きっと美味しいのでしょう。 ただぼくたち夫婦は並んで待つではなく並ばず食べないを選択するのです。 先へ進みます。 クチコミがあやしい店を一軒スルーして、googleには出てこなかった店を発見。 ここへ行ってみましょう。

そこはビルの3階にある若貴という名前の店でした。 エレベーターを降りるともう店内という造りで、降りた方向からぐるりと右へ180度回り込むと店内が見渡せるようになりました。 空いています。 影になっているところにお客さんの気配はあります。 嫁が

「ちょっとやめない?」

と、ぼくを制止しました。 汚くはないけどきれいとは言えない店内に、不安を感じたのでしょうか。 気持ちはわかりますが、お好み焼き屋なんてどこもこんなものです。

「だいじょぶ だいじょぶ」

そう言って鉄板のついているテーブルの席に腰かけました。 嫁もあきらめたのか黙って対面の席に腰かけます。 メニューを見るとおすすめはこれというのがあるのですが、それにはエビが入っています。 嫁はエビアレルギーなのでこれは食べられません。 店員さんがやってきました。

「お好み焼きって結構大きいですか?」

残したくはないのでそう訊きました。

「いいえ みなさん一人1枚食べられますよ」

うーん そっかぁ でも足りなかったらまた頼もう。

「このおすすめをエビ抜きでひとつ それと生ビールふたつね」

「エビを抜きますと、このイカになります」

「なるほど じゃあそれで」

この1枚注文はありなのか? 店員さんは大きな鉄板の焼き場のおかあさんに注文を伝える以上の会話をしているようですが、何を言っているかはわかりません。

運ばれてきたビールジョッキを軽く合わせて、今日の労をねぎらいます。 ビールをゴクリとやりながら店内を観察。 有名人のものと思われる色紙が、レジの横に数枚飾られています。 テーブルには鉄板があり、ビールを持ってきた店員さんが火をつけてはいきましたが、自分で焼くのではないようです。 焼き場ではおそらく他のお客さんのものであろうお好み焼きを、おかあさんが焼いています。

ここではりがみを発見。 ソースやマヨネーズを無駄にかけて、鉄板を汚さないでくれとのことが書かれています。 鉄板を汚さないように食べるなんてできるか自信がありません。 さらに発見。 焼き物とビールだけはご遠慮願いますとのこと。 なるほど お好み焼きを注文してねってことか。 やっぱり1枚はダメかな? ちょっとここは注文が多い料理店だね。

次に決定的なはりがみを発見してしまいました。 

【お客さんが並んでお待ちしている時は、お好み焼きの追加注文はできません】

うわぁ 混んではいないとはいえ注文しづらくなりました。 

【お好み焼きは、ヘラでさいの目に切ってお食べ下さい】

運ばれてきたお好み焼きの味は、もはや何が何だか分からない状態。 本当は美味しいんでしょうけどねー なんだか縛られているみたいで楽しい気分が削がれます。 

そんな風に感じてしまう関東人はこの店を出てからも、幸せになれる食を探して広島の夜の街をさまよい歩くのでした。 



平和記念公園にも飲食街からも近い、こちらのホテルに泊まりました

 








コメント
以前にも1度コメントさせていただきました!
サーフィンを始めて約9ヶ月。
波のない日が続く日本海でようやくテイクオフから横に行く練習をしております。
46surfさんのブログをまた読み返し、共感することばかりです。
ブログ、いつも楽しみに拝見しております。
負けずに頑張ります!
  • k
  • 2018/09/08 10:13 PM

kさん こんにちは!

ぼくだって負けませんよ〜
kさんのもとに、いい波がきますように
  • 46サーフ
  • 2018/09/11 12:33 PM

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